職員サポートWG

職員サポートWGリーダー 鳥塚 通弘(精神医学 講師)

 新型コロナウイルス感染症は、メンタルヘルスにネガティブな影響を与えます。特に、最前線で感染症と闘う医療従事者への影響は大きく、自身が感染するのではないかという恐怖に加え、特に感染症流行当初は偏見も強く、当院の医療従事者のメンタルヘルスの悪化が懸念されました。

そこで職員サポートWGが発足し、健康管理センターから、新型コロナウイルス感染症の診療にあたっている医療従事者のための心理的サポート体制について精神科に協力要請がありました。サポート体制として、精神科で働いている常勤臨床心理士4名のうち2名に、職員サポートのための心理カウンセリングに当たってもらうことにしました。予約制として、1回30分の枠を1日最大4枠、週4日で設定しました。

実施に際して、心理カウンセリングは長時間空間を共有するため、万一の新型コロナウイルス感染症濃厚接触を避けるため換気が必要な一方で、プライバシーの保護も必要な業務なため、その両立をどう図るかが課題となりました。普段は学生実習の練習に使用する部屋が実習の中止に伴い人の出入りがほとんど無くなっていたため、ここをカウンセリングルームとして使用することができました。同部屋にパーテーションを設置し、病院等からも少し離れた建物であったため、窓を開放して換気してもプライバシー確保も容易となりました。問診票や案内は図1~3に示すとおりです。基本的に健康管理センターに相談のあった職員で、心理カウンセリングを希望した場合に健康管理センターの産業医が予約を取る形で実施しました。また、院内掲示板に案内を掲示し、周知しました。

2020年4月23日から開始しましたが、想定していたほどの利用者は認めませんでした。直接当院精神科を受診した職員や、他院の精神科に紹介された事例について把握できているわけではないため、カウンセリングの申し込みが少ないことが当院職員のメンタルヘルスが良好に推移していたと言えるわけではありませんが、こういった準備を行うことも職員の安心感につながると考えられるため、必要な対策と思われます。

【関連ページ】
学生・職員に対する健康サポート

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図2
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図3
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