学修環境

学修環境(学部)

(1)講義・演習

これまでの主な経過

  • 2020年3月11日 対面授業を中止し、教務システムを活用したオンデマンド型授業に変更
  • 2020年4月 2日 全学生の来学を禁止するとともに、すべての授業を遠隔授業に変更
  • 2020年5月 7日 Microsoft365 Teamsを活用した双方向型の遠隔授業を開始
  • 2020年6月 1日 週ごとに来学する学年を絞り分散型で対面授業を再開
  • 2020年9月23日 本学学生が新型コロナウイルス感染症に罹患していることが判明したため、9月23日~10月2日までのすべての授業を遠隔授業に変更
  • 2021年3月 2日 令和3年度前期(4月~8月)の授業について、引き続き分散型での対面授業で実施することを決定
  • 2021年3月31日 本学卒業生が新型コロナウイルス感染症に罹患していることが判明したため、4月5日~4月16日までのすべての授業を遠隔授業に変更
  • 2021年8月 3日 令和3年度後期(9月~3月)の授業について、引き続き分散型での対面授業で実施することを決定

取組

1 遠隔授業に関する取組

  1. Microsoft 365 Teamsの利用マニュアル及び説明動画を作成し、遠隔授業の環境を整備した。
  2. 遠隔授業を実施するに当たり学生のオンライン状況を把握するため、全学生にオンライン環境調査を実施した。
  3. 新入生に対し、学生生活や遠隔授業に関する悩みを相談できる担当教員を割り当てた。
  4. 教員が遠隔授業を実施するために必要なWEBカメラ及びマイク等の音声機器を大学として整備し、必要な教員へ貸出を実施した。
  5. 遠隔授業の現状と改善点等を調査するため、全学生及び教員に「遠隔授業に関する授業評価アンケート」を行い、ブラッシュアップを実施した。

2 対面授業に関する取組

  1. 四方を空ける席配置を行ったうえで、座席指定を行い、授業及び昼食時のソーシャルディスタンスを確保した。
  2. 各諸室に消毒液を配置し、手指消毒を徹底した。
  3. 各諸室に除菌シートを配置し、机や椅子の除菌を徹底した。
  4. 教員及び学生にマスクの着用を義務付けた。
  5. 教室の窓及び扉を常時開放し、換気を徹底した。
  6. 演習及び実習は、感染対策を徹底したうえで少人数での実施や時間の短縮等、授業方法を工夫した。
  7. 演習及び実習は、来学週以外も実験室や実習室等、諸室の利用が可能な場合は、学生を2つのグループに分ける等、3密の回避及び3つの感染ルート(接触、飛沫、エアロゾル)の遮断を条件として、対面での授業を実施した。

(2)臨床実習・臨地実習

これまでの主な経過

  • 2020年2月28日 3月2日~4月30日まで臨床実習を中止(医学科)
  • 2020年5月11日 Microsoft 365 Teamsを活用した遠隔での臨床実習を開始(医学科)
  • 2020年6月 1日 対面(学内のみ、病棟不可)での臨地実習を開始(看護学科)
  • 2020年6月 8日 対面での臨床実習を見学型(シミュレーターや医局でのレクチャー等)に限定し再開(医学科)
  • 2020年7月 7日 2021年1月以降の海外臨床実習の中止を決定(医学科)
  • 2020年8月31日 看護学科長の事前許可制により、学外を含む病棟での患者接触型臨地実習を再開(学生は病棟と学内の半々で実施)(看護学科)
  • 2020年9月 7日 医学科長の事前許可制により、患者接触型実習を再開(医学科)
  • 2021年3月12日 文部科学省から公募された「感染症医療人材養成事業」に本学の事業計画が選定
  • 2021年5月10日 県内医療機関及び県外医療機関(緊急事態宣言が発出されている地域の医療機関を除く)での臨床実習を再開(医学科)
  • 2021年7月 5日 大阪府の医療機関での実習を再開(医学科)
  • 2021年7月 6日 2022年1月以降の海外臨床実習の中止を決定(医学科)

取組

1 遠隔実習の取組

 令和2年度の感染拡大初期には早期の臨床実習再開を図るため、 Microsoft 365 Teamsの利用マニュアル及び説明動画を作成し、症例検討等を遠隔で実施するなど、可能な範囲で臨床実習を再開した。

2 対面実習の取組

  1. 対面実習を実施に際する厳格な遵守事項を規定し、十分な感染対策を講じたうえでの実習を実施した。
  2. 患者接触型実習の制限時は、スキルスラボのシミュレータを活用した実習を積極的に実施した。
  3. 文部科学省から公募された「感染症医療人材養成事業」に本学の事業計画が選定(採択額101,360千円)されたことから、事業計画に基づいたシミュレーターを整備し、シミュレーション教育を推進した。
  4. 患者接触型実習の実施に当たり、実習内容や感染対策を記載した「患者接触型実習許可願い」を各学科長に提出し、事前の許可制を導入した。
  5. コロナ禍においても、学生の臨床能力を向上させるため、可能な限り対面でかつ参加型臨床実習の実施を教育協議会で要請した。
  6. コロナ禍においても、学生の臨床能力を向上させるため、可能な限り対面でかつ参加型臨床実習の実施を教育協議会で要請した。
  7. 学生の体調管理を厳格に行うため、毎日の「健康チェック表」の記入を全学生に義務付け、実習開始前に指導教員が確認した。

学修環境(大学院)

(1)講義・演習

これまでの主な経過

  • 2020年4月2日 全学生の来学を禁止するとともに、すべての授業を遠隔授業に変更
  • 2020年6月1日 対面授業を再開

取組

対面授業に関する取組

  1. 1科目あたりの受講人数が少人数であるため、3密を避けたうえで、原則対面で実施した。
  2. 各諸室に消毒液を配置し、手指消毒を徹底した。
  3. 各諸室に除菌シートを配置し、机や椅子の除菌を徹底した。
  4. 教員及び学生にマスクの着用を義務付けた。
  5. 教室の窓及び扉を常時開放し、換気を徹底した。

(1)講義・演習

これまでの主な経過

  • 2020年4月2日 4月2日~5月31日まで臨地実習を中止
  • 2020年6月1日 対面(学内のみ、病棟不可)での臨地実習を再開
  • 2020年7月1日 学外医療機関(助産院)での実習を再開

取組

対面実習の取組

  1. 対面実習を実施に際する厳格な遵守事項を規定し、十分な感染対策を講じたうえでの実習を実施した。
  2. 患者接触型実習の実施に当たり、実習内容や感染対策を記載した「患者接触型実習許可願い」を看護学研究科長に提出し、事前の許可制を導入した。
  3. 実習に参加するに当たり、感染対策に関する誓約書の提出を全学生に義務付けた。
  4. 学生の体調管理を厳格に行うため、毎日の「健康チェック表」の記入を全学生に義務付け、実習開始前に指導教員が確認した。

(3)研究

これまでの主な経過

  • 2020年4月2日 データ分析等のデスクワークは、自宅で実施することとし、来学しての研究を一部制限
  • 2020年6月1日 通常どおりの研究を再開。ただし、看護学研究科の研究室の利用は禁止
  • 2020年9月1日 看護学研究科の研究室の利用を再開

取組

  • 研究室の利用に当たっては、三密の回避や適切な換気等、十分な感染対策を講じたうえでの利用を徹底した。(両研究科共通)
  • 令和2年度に学位申請予定であった者の学位申請制限を1年間延長する特例措置を実施した。(医学研究科博士課程)

各部局長からのコメント

吉栖研究部長・医学研究科長

 医学研究科において、学部教育と同様、授業については2020年4月から大学院生は来学せず、授業を遠隔で実施していました。研究活動については、継続した研究等を考慮し、最小限の来学になるよう努め、データ分析等は、来学せずに実施することとしていました。
 2020年6月以降は、感染対策を十分に実施したうえ、対面授業を再開し、研究活動は、少人数で行うため、通常どおりの実施としました。
 また、大学院生の多くが社会人であるため、新型コロナウイルス感染症の影響で研究活動が困難である場合は、学位申請の期限を1年間延長する制度を設けました。
 コロナ禍においても、柔軟に授業や研究を運営することができ、大学として大きな課題に取り組むことができたと思います。

石澤看護学科長・看護学研究科長

 看護学科内では、コロナ禍での看護学教育に関する文科省・厚労省の通達のもと、感染予防と教育の質を維持するために連携を強化しました。教育支援課、看護教育部長、実習MWG委員長、そして看護部と何度も話し合い、感染状況に応じて修正をかけながら進めてきました。大学院看護学研究科においては、看護師免許を取得している院生であることから、大きな教室を使用するなど最大限の感染対策をしながら対面講義とのバランスをとって授業・実習を実施してきました。
 今後の課題は、学生にとってかけがえのない学生生活が少しでも有意義になるよう学生・院生の声を聴き、心のケアが必要な学生に対しては教員間の情報共有やアドバイザー制度のさらなる活用が必要と考えています。

酒井教養教育部長

2020年1月に日本国内で最初の感染者が発生し、忽ち情勢が一変。9月入学案がまことしやかに報道されたが、今思えば4月入学に固執したことは影響を最小限にするための英断でした。奈良医大では規模縮小の入学式と自宅学習の方針が決定されました。教員は大学の「教務システム」に講義資料をアップロードし、学生はその資料をもとに自己学習しました。一部の教員は遠隔会議システムを授業にいち早く導入しましたが、多くはTeamsの本格的導入を待ってからで、システム操作の理解や講義資料の準備に明け暮れました。理科3科の実験実習は一切できず、既存の実験データを整理・考察する架空の実験手法を取りました。多くの大学では特殊な授業形態が2021年度も継続しましたが、奈良医大は対面授業が半分近く導入されました。遠隔授業システムが実はActive Learningに有効となる良い点もありましたが、実験実習は通常の半分の収容人数となり、実習の機会が激減したことは遺憾であります。コロナ禍が早期に収束し通常授業に復することを切に願います。

堀江基礎教育部長

 2020年度開始直前の緊急事態宣言によって学生の来学が突然制限される中、基礎医学教育では、対面授業が必須の学習項目を維持するために、年間授業日程を迅速に改変しました。授業によっては、密を避けるために、学年を2グループに分けて、同じ授業を二度行うこともありました。特に解剖学実習は、医学教育全般の基礎と位置付けて、優先的に日程を調整しました。他学において、解剖学実習を十分に行えなかった事例が少なからずある中で、本学で適切な遂行を成し得たことは、教員間の協力と尽力によるところが大きく、厚く感謝します。一方、第2学年最後の3ヶ月に行われるリサーチクラークシップ(研究室配属)が大きく制限され、とりわけ本学の特徴である海外派遣が完全に中止されていることは、今後の課題であります。

長谷川臨床教育部長

 医学科の臨床医学教育では、新型コロナへの対応で、一時、学生の来学が禁止され、講義、臨床実習等はすべて遠隔授業となりましたが、その後、遠隔講義と分散型対面講義の併用、制限下での対面実習の再開へと慎重に移行しています。講義でも課題はいろいろありますが、特に問題になったのは臨床実習です。遠隔実習のみでは不適切と判断して、患者さん、現場職員、指導教員、学生の安全確保と教育の質の確保の両立に配慮し、三密対策、三感染ルート遮断等を徹底して、対面での見学型実習を慎重に再開しています。さらに、教員による健康チェックの徹底、感染対策を含めた実習計画の医学科長による事前承認によって、患者接触型、診療参加型実習も可としていますが、未実施の場合も多いので、実習内容の記録、確認も追加し、コロナ禍でも適切に実施できるように、学生、教員、教育支援課等が密接に連携して取り組んでいます。

川上看護教育部長

 2020年4月、コロナウイルス感染症対策を中心に3回の臨時教育協議会を開催しました。対面の授業が中止となり、自宅学習のために、教員・教育支援課で協力して授業の資料を印刷し学生へ郵送しました。6月から現在の隔週の登校と遠隔授業の併用となりTeamsの授業では、「別の部屋に何人か学生がいます」と指摘されたり、通信環境の問題が浮上しましたが、教員・学生共に協力し学習状況は改善しています。
 看護学科の重要な授業である実習も大きく影響を受けました。6月の看護学科運営会議で病院での実習を以前の1/2とし、11月で終了することを決定しました。予測ができない状況で大きな決断でした。外部施設の実習は中止となる状況で、9月から附属病院の実習が再開となりました。学生と教員の体調管理と感染防止対策を徹底し、緊張感の高い実習でし た。それでも学生は、臨床で実習ができたことを感謝し、この3月に卒業を迎えます。